こぅ

ストリート・オブ・ノー・リターンのこぅのレビュー・感想・評価

4.2
サミュエル・フラー監督の遺作で異色の【復讐ノワール】。
原作は、デヴィッド・グーディス。

アヴァンタイトルから 白対黒 の暴動の真ん中を堂々割って
入るカメラ。

荒廃したモノクロのようなグレートーンのスラム街に赤字の
OPクレジットが映える。

ホームレス化した元人気シンガーのマイケル(キース・キャラ
ダイン)が歩き出す、、
ある過去の女に目が留まり、追うとその後出て来た女はシリア
(ヴァレンティナ・ヴァルガス)、、

そこからシリアとの出会いと【忌わしい過去】が甦る。

初夜、SEX後のターンするカメラから再び2人を映すカメラ
ワークが超絶素晴らしい‼︎

マイケルのPVに出た時のシリアの【Tバック1枚で乗馬】
シークエンスが 変 だけどセクスィ!
(ジャケ写上の真ん中)

シリア役のヴァレンティナは、特別美人とは言い難いが、
スレンダーな肢体から溢れる 色気 はハンパない。


シリア、
「あなたは今
最もモテる男の1人だわ
楽しかったけど、今夜だけにしましょ
タイプじゃないの」シリアはそう言い捨てる。
そして、「二股は罪よ」
ちゃんと彼に別れを言うわ、と律儀。


シリアの男はヤクザな不動産屋ボス、エディ。
寝取って只で済む筈がない。

マイケル、
現恋人ジャーマネに「今度は遊びじゃない 本気だ」。

コンサート公演を放棄して人生懸けてシリアと高飛びしようと
決心する。

一時揉めたジャーマネもなんとか理解してくれた矢先、
マイケルが言い放った一言は、「君は◯◯みたいだ」

これ言われたら女性は 激怒&落胆 するね。

プロットは超シンプルな復讐劇なのだが、良くあるとか、あり
きたりな、とかとは一線画す(クセのある)展開は、やはり
サミュエル作品と言うべきか。

所謂、ありきたりなストレートに派手リベンジして終わりとは
ならない。

回想から現代に戻った中盤の遠回り的、一見不要⁈っぽく
見せて実は重要⁈みたいな終盤に繋がる展開も個性的。

終盤は、黒人ボレル署長(ビル・デューク)あんた良い奴
じゃん〜クライマックスも普通じゃない。


殺すのが真の復讐じゃない‼︎

ボレル署長に渡したシリアへのメモ書きが良い。静かな余韻
(変に盛り上げない無言)ラストも良き。


B級臭いA級って表現がサミュエル作品には当て嵌まる。
こぅ

こぅ