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遥かなる山の呼び声のぉゅのレビュー・感想・評価

遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)
3.8
2022年 鑑賞 22-39-04
BSテレ東 シネマスペシャル にて
「幸福の黄色いハンカチ」「男はつらいよシリーズ」等の山田洋次監督、「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」シリーズ等多くの作品でコンビの山田洋次さんと朝間義隆さんコンビが脚本の、民子三部作(「家族」(70)、「故郷」(72)に続く)第3作目。北海道東部の中標津町を舞台に、酪農家の民子(倍賞千恵子さん)と、突然現れた謎の男・耕作(高倉健さん)との触れ合いを描く。

ー 酪農ver. 幸福の黄色いハンカチ feat. 男はつらいよ ー
線路の端を歩く耕作、色とりどりの花、山田監督っぽさを感じるタイトルバック。
高倉健さん、倍賞千恵子さん、武田鉄矢さん → 「幸福の黄色いハンカチ」色に、倍賞千恵子さんと吉岡秀隆さんの親子役や、渥美清さんの(特別)出演は、「男はつらいよ」色が少し入る。更に食事シーンの挿入もあり、まさに山田洋次監督の世界。

耕作こと高倉健さんの男臭いシーン多!寡黙で淡々と牧場の作業をするシーン。外で晴天の下で食事するシーン、子どもたちに乗馬させる夕焼けが印象的なシーン、杭打ちのシーン、暴君男を追い返すシーン。そして... まさに男が惚れる漢のPV風作品にもみえる?「覚えてろぉ〜」の定番捨て台詞、豪快な投げ技、仕返しのつもりが手打ちからの逆に惚れこむ下り、「約束守れなきゃ 男じゃねぇぞ」、腰を痛めた民子をお姫様抱っこ、上半身裸の牧草積み、木影でお昼寝、「みっともないから泣くな」のエピソード etc. やっぱり一番は自らの乗馬シーンでしょう!

“もう他人と思ってないから”
コーヒー、草競馬、お祭り、肩車... 心寄せる民子と耕作。耕作に残って欲しい民子と、民子に迷惑をかけたくない耕作。ついに耕作の口から、自分の過去を...
電車の中の(あのお茶!懐かしい)、大きめの声の三文芝居のシーンと、耕作の目元と、●●カ●でウルっときてしまった!三文芝居でなんて久々...
なんか「幸福の黄色いハンカチ」の前日譚のようにも思える構成。

見舞いのフルーツ盛り合わせのシーンや人工授精のシーン、武田鉄矢さんの新婚夫婦の会話など、コメディ要素も入っているし、改めて吉岡さんは天才子役だったんだなぁと思わされたし、ハナ肇さんや杉山とく子さん、鈴木瑞穂さん、特別出演のムツゴロウさんこと畑正憲さんと、彩り豊かな布陣の作品だった!

余談:渥美さんの声でワクワクしてしまう、登場シーン!あの時の状況にも既視感あるような... ってなるし、渥美さんっぽさを感じる特別出演のシーンだった!ここだけ切り取って残しておきたい気分だ!

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