けーな

ラスト・タイクーンのけーなのレビュー・感想・評価

ラスト・タイクーン(1976年製作の映画)
3.6
今作は、エリア・カザン監督の遺作であり、原作を書いたF・フィッツジェラルドにとっても、遺作であり、未完の長編作品となった。そして、主役は、ロバート・デ・ニーロ。今作は、デ・ニーロが「ゴッド・ファーザーII」の翌々年に出演した映画で、「1900」「タクシー・ドライバー」と同じ年に製作された物である。

とにかく、映画ファン、デニーロファンにとっては、たまらない作品。往年の、銀幕の大スターが多く出演しているからだ。デニーロが、こんな大スター達と共演していただなんてと嬉しくなった。トニー・カーティスや、ロバート・ミッチャム、ジャンヌ・モロー、ドナルド・プレゼンス(「大脱走」で目が見えない人を演じた)等々…。 中でも、ロバート・ミッチャムは、デニーロがリメイク版に出演した「ケープ・フィアー」のオリジナル版の方で、デニーロと同じマックス・ケイディ役を演じた人である。
それから、往年の大スター以外にも、現代の大スターも出ていて、びっくり。ジャック・ニコルソンである。デ・ニーロと並んで座って、お茶を飲むシーンがあり、なんて貴重なショットだろうかと思った。さらに、2人で、卓球をしたり、殴り合ったりもする。

話としては、ハリウッドの舞台裏を描いた物である。デ・ニーロは、若い敏腕プロデューサー役で、若いながらも、ベテランの映画人達に、きびきびと指示を出すシーンが度々あり、そのシーンを見ると、デニーロ自身も若かったので、ベテラン俳優達に引けを取らずに演技する姿に、感嘆した。デニーロでなければできない役だったなと強く感じた。

F・フィッツジェラルド作なので、「グレート・ギャッツビー」と似た雰囲気を感じた。華やかな暮らしの中にいても、その暮らしは、儚く、また、愛する人を求めても、想いは叶わず、孤独で寂しい主人公。

主人公モンロー・スターが「映画は必要な物を与えてくれる。映画は、僕の人生だ」と言うセリフが印象的だった。

それにしても、彼女の行動は、ダメじゃないか⁈
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