広島カップ

ニューヨーク・ストーリーの広島カップのレビュー・感想・評価

ニューヨーク・ストーリー(1989年製作の映画)
2.8
巨匠三人がニューヨークを舞台にして作った短編を繋げたオムニバス映画。
何故この三人でこうした企画が実現したのか?よくわからないし作品もやはり小品という感じ。全体の印象もそれぞれ勝手に話を作って並べただけのような気がする。
タイトルにニューヨークとあるので、NYの街の雰囲気を感じられるかで各パートの面白味が別れました。

一話目はスコセッシ。
NYに根城を構える芸術家の男(ニック・ノルティ)の恋愛話。ロックを大音量でガンガンかけながら訳の分からない巨大な油絵を描いているアーチストの彼は同居している画家志望の助手(ロザンナ・アークウェット)に拒否されても気になってしょうがない冴えない男。
NYにはこういう芸術家気取りの人間がいっぱいそうな気がする。
二話目はコッポラ。
お父さんがフルート奏者のお金持ちの一家の話。
三作の中では一番NYを感じない。別にN Yでなくてもよかった気がする。
三話目がアレン。
NYの空の上から弁護士の母親がいつも見張っているというややSFチックなコメディ。
いっときの間、母親のストレスから解放されて妻と最高のセックスができるようになった弁護士(アレン)が主人公だが、そのストレスという言葉にNYを感じるアレンらしいコメディ。

お互いに張り合っている感じもしないし、一つにまとまっている感じも受けない。淡々と自分の気になるものを作ったという感じを強く受ける。
其々の監督のファンが取り敢えず観とくというレベルの作品ではないだろうか。私としても夫々に力の入った長編を作ってくれた方が嬉しい。
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