美しい愛の夕暮。
純真なるエロス。
一貫してロマンチック。
愛し合う老人と美しい妻。
内容は気持ち悪い。確実に。
でも、描かれ方が極めて甘美。
お陰か、臭みを感じづらかった。
心から愛し合っているように見えた。
惹かれるのはただ罪なきエロスで、執着で、
権威欲や支配欲みたいな余計なものが無い。
幻想的な画面が合っている。
微かにソフトフォーカスのような。
恋情と肉欲のかける靄。
また、
二人にギスギスした描写がない。
結婚や人生の苦難の殆どは、店に来る客に仮託される。
二人は最後まで甘いまま。
「もし君がやせたら自殺してやる」
好みはわかれそう。
人によっては「なんだこれ」となる、多分。
というか好きだけれど私も「なんだこれ」を味わった。
特にラスト。
詰まらない、と思う人も居るかも。
個人的には甘いままで嬉しい。
非常に性急でロマンチックな愛でした。