デニロ

ドラブルのデニロのレビュー・感想・評価

ドラブル(1974年製作の映画)
3.5
昨日、立川志の輔、立川談春、立川志らくの「立川流三人の会」を聞きに行った。そこで志の輔が師匠立川談志との思い出をまくらでこんな風に、志の輔が師匠談志と二人会をやった折、先に高座を終えて、お先に勉強させていただきました、と挨拶したところ、あ~、志の輔、お前さん今の噺で何を言いたかったんだ、と質されて何と返していいのか言葉が出なかった、と。なんにもかんがえていなかったし。でも、それが啓示だった、とも。

本作は、英国諜報機関のマイケル・ケインのこどもが誘拐され、身代金として50万ポンドを要求される。50万ポンドには心当たりがある。50万ポンド相当のダイヤの原石を、北アイルランドに流れているソ連製の武器の根絶のための資金として諜報機関が用意していたのです。犯人はそのことを知っている。マイケル・ケインはこどもの救出のためにダイヤを誘拐犯に渡して欲しいと願い出るが、にべもなく却下される。そして、自分一人で息子の救出に向かう。

パリに出向いて誘拐犯と接触したりパリの警察に捕まりイギリスに引き渡されたところを誘拐犯に救われたりドタバタするのだが、パリからイギリスに戻るのにフェリーの観光バスに乗り込む件が夢物語のようなシーン。空の観光バスに乗り込み最後部の座席に潜り込む。イギリス側に渡ると入国審査官が空のバスを点検するのだが、そんなところに居たら見つかるだろうと思っていたら数歩手前で戻ってしまう。そして、観光バスに乗客がぞろぞろと乗り込み、カメラがひとりの女性乗客を追うと最後部の座席に座ろうとする、とそこにむっくりとマイケル・ケインが起き上がる。女性は何よという顔。え、騒がないの?

そんなこんなでマイケル・ケインは息子を救い出し、50万ポンドの原石を狙う黒幕が上司と知る。上司のこころは『ミッション・インポシブル』のジム・フェルプスと同じ理由。

で、この話で何を言いたかったんだろうと、わたしはそう思ったわけです。

1974年製作。原作クライヴ・イーグルトン。脚色リー・ヴァンス。監督ドン・シーゲル。『ドラブル』は誘拐の実行犯の名前。

映画館ストレンジャー ぶっ飛ばせ!ドン・シーゲルコレクションにて
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