吉良吉影

キング・オブ・コメディの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

コメディアンとして夢見る男が目的のためなら手段を取らずに犯行がエスカレートして、、、。
貧乏な家柄で貧困層から脱出するために有名人になる考えはアメリカ社会でよく見られる。ホアキン・フェニックスの『ジョーカー』もほぼ同じプロットだが、この作品では人に対する恨みや憎しみのような負の感情が見られない。ルパートは常に笑っているので、逆に何を考えているか分からない点でこっちの方がサイコに思えた。
最後のルパートの1人漫才。アメリカンジョークと言うが、かなり自虐的ネタなブラックユーモアで笑えないような内容だが観客からはウケている。アメリカのトーク番組をあまりみたことないので分からないが、これは皮肉になっているのだろうか疑問である。
お笑い芸人が演技が上手いため役者として採用されがちだが、その逆も然りである。ロバート・デ・ニーロのコメディアンとしての演技が流石。
比較的スコセッシの作品が苦手だが、『タクシー・ドライバー』同様に人間の深層心理を分かりやすいシチュエーションで描いてくれたので本作はとても好みだ。
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