エイガスキー

キング・オブ・コメディのエイガスキーのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.0
自分のことを天才コメディアンだと思いこんでおり現実と妄想の区別がついていないデニーロが大人気コメディアンにつきまといついには誘拐して代わりに自分がテレビに出ようとする話。おまけで頭のおかしい大人気コメディアンのストーカー女もついてくる。

妄想と現実の区別がつかない、という感覚を映画で追体験させられているような構成で、今スクリーン(画面)に映っているのは現実なのか妄想なのか分かりづらく、頭がおかしくなりそう。
かなり客観的に見れば妄想と現実の区別が難しい、くらいの感覚で見られる。
デニーロの知的で利己的な話の進め方とストーカー女の感情的な話の進め方が交互に襲ってきてこっちでも頭がおかしくなりそう。
総じてすごく気持ちが悪い内容になっており、表面的なわかりやすい恐怖ではなく、深層にある正体のわからない恐怖に当てられる。

こっち側(客、視聴者)は「気持ち悪ぃ~怖ぇ~」で見ていられるが、当事者である「舞台の上の人」が見るともっと怖いらしく、小堺一機や関根勤なんかは帰りに映画館のトイレで吐いてしまったと語っていた。