ケンタロー

キング・オブ・コメディのケンタローのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.5
イヒヒヒ、ルパート・パプキンです。
綴りは P-U-P-K-I-N でパプキンでゲス。

デ・ニーロ演ずるパプキンの厚かましさ、グイグイ感がもの凄いわー。
コレ、吹き替えザキヤマにやってほしい。下衆っぽくやってほしいでゲス。

パプキンのキャラクターのモチーフは誇大妄想狂の大家アドルフ・ヒトラーもあるみたい。危うい人物だけど、こういう妄想と現実の区別がつかないってのは、芸能や芸術の世界で成功するためには必要不可欠なある種の能力ではあるよね…(^_^;)

そういった世界に身を置く自分たちも含めて痛烈に皮肉ってるのが本作の面白さだと思う。ジャンル分けが難しいけど、本質コメディの社会派サイコホラーって感じだろうか…。

ストーカーって言葉で片付けてしまうと陳腐なんだけど、パプキンとマーシャという強烈キャラの二人はいわゆる妄想性の精神疾患(マーシャはクレランボー症候群っぽいね)を患ってて、ジェリーの拒絶もすべて好意に脳内変換されてしまっていて、本人たちにとってみるとそれは妄想や絵空事ではなくて、正にリアルなんだよね。そんでもって二人とも真剣な訳…。

だから見ていて不気味さもあるんだけど、悲しさも感じてしまうんだなぁ。

この喜劇であり悲劇であるってことや、パプキンやマーシャの境遇、TVショーを装置とするあたりは、映画『JOKER』がいかに本作を手本にしてるかが理解できる部分。

ちなみにクレランボー症候群(エロトマニア)の人って、日常生活や身なりはまったく普通なんだけど、その執着する対象人物のこととなるとおかしくなってしまうという難儀な病気なんだよね…。自分もこの手の被害経験があるので観ていて不快というか、あぁ難儀だなぁ…ってずっと感じてた。

デ・ニーロの演技が素晴らしい、厚顔無恥なグイグイ演技はもちろん、一人芝居(本人はそうは思っていない…)の狂気、ちょっとした仕草や動きまで徹底的に演じられている。

そして、サンドラ・バーンハード演ずるマーシャの顔が怖い…笑 グラサンも怖い。ターミネーターじゃん!T-800じゃん!あんなん流行ってたかと愕然とする。

ついでに言うと、ジェリー・ルイス演ずる人気MCコメディアンのジェリーの大橋巨泉感が強くて参った。特にゴルフ姿見てからは巨泉感マシマシで雑念にしかならなくて(;´Д`)

頭ん中で、デ・ニーロとザキヤマ、ジェリー・ルイスと巨泉が入り混じってんの!

( ゚д゚)ハッ! 異常なのは俺か…笑