イチ

キング・オブ・コメディのイチのネタバレレビュー・内容・結末

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

映画〈JOKER〉関連での二つ目の鑑賞。
この作品はネタバレしない方がいいと思います。
しかし面白い。


お笑いで成功したい男性が有名テレビ司会者に無理やり同じタクシーに乗り込み自分を売り込む。
なんとか説得し友達として付き合いたいようなことを言い、連絡先を聞き出す。
行きつけのバーの女性にはもうテレビの番組に出られるとし、ハリウッドの映画スターになれるとも言ってしまう。

有名テレビ司会者に電話するも通じず、直接訪問すると秘書に対応してもらえてネタのテープを渡すよう言われる。
しかしテープを渡すも結果はだめ。

売れるために何度もチャレンジするが断られる。何度も売り込むも全て結果が伴わずひたすら空回り。
会う時アポイントを一切取らないので会うことが出来ず無駄な時間を過ごす。


主人公パプキンは所々妄想シーンが出てくる。
有名テレビ司会者に紹介される自分はコメディの王だと。
妄想の中ではパプキンは司会者に才能を褒められまくる。

無理やり別荘に押しかけ「友達だろ?」と言う。
「腹が減ってるんだよ〜😇」
司会者も流石に怒る、あの時の連絡先を教えたのは君を追い払うためでこんな付きまとわれることは迷惑だと言う。
それを聞き本性を現したなとパプキンは文句を言う。ここら辺は社交辞令ということを分からない感じ。

その後司会者を誘拐し、銃で脅迫してテレビに出演させるよう命令する。


「友情は一方通行ではない」
パプキンはしきりに友好的に接するも、反応のない司会者についにしびれを切らす。
テープを聞かなかった司会者をしきりに責めるパプキン。

しかし司会者も自らのことをただの弱い人間であり、人気番組を維持する苦悩、悩みを持っていることを話す。
どこまでこの状態を維持できるのか。バラ色の人生を保つ為の不安はたくさんあるんだと。
司会者もテープを聞かなかったことについては反省するようになり、考えを改めていた。

しかしパプキンは御構い無しに拘束を強める。


テレビに出演しに行くも当然警察に捕まる。
プロデューサーは誘拐された時点でとりあえず出演はさせてみる考えまでに至るが、やはりネタ内容のチェックはしたい。
しかし大丈夫だ、心配いらないんだとパプキンは言う。

ぶっつけ本番で挑む内容としては自分のこれまでの生い立ちをネタに笑いをとることであった。
内容としては笑えるというより自虐であり、聞こえようによっては心配するレベル。しかし番組内は笑い声が絶えない。
また司会者を誘拐したこともテレビで公表する。
やはり冗談と見られる。


放送後には反響が大きく、刑務所で書いた自伝は100万ドル以上で出版社が購入する。ここはテレビの放送演出のため真実として描かれていると思う。
ラストシーンはパプキンの妄想説もあるが個人的には真実であることとして見ることはできる気はする。でも確かにどちらともとれる内容だった。


予想してたよりずっと面白い作品だった。
まさしく芸人さんとか漫画家のようなマスコミや出版社に自分を売り込みに行く人にとってはバイブルになりうるものだと思う。
また有名人にとっても、司会者の立場を考えることができる。
芸人さんのコンビ名になるのも納得。


話の展開もいいが、面白いのはストーカーしたり誘拐したりしてすぐ捕まってしまうのに、最後はテレビのおかげで成功してるんですよね。
最初は空気の読めない気味の悪い人物で、成功しそうにもないものだったのに。
最後には成功しているんです。


JOKERとの共通点はお笑いで成功を目指していること、手段が狂気じみてること、テレビでの公開主張し支持者を得るところですかね。


二つの作品を見終わると、JOKERがタクシードライバーとキングオブコメディを足して2で割ったように思えてきます笑
イチ

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