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愛の集会のsonozyのレビュー・感想・評価

愛の集会(1964年製作の映画)
3.5
ピエル・パオロ・パゾリーニが脚本/監督/インタビュアーを務め、イタリア各地の様々な年齢、職業、階級..の老若男女に主に「性」について問い歩いたドキュメンタリー。

冒頭は、無邪気に集まる子供たちに「赤ちゃんはどこから生まれる?どうやって出来る?」と聞くとちょっと困惑しながらも「神さまがつくり、コウノトリが運んでくる」と微笑ましい反応をする少年たち。

若い兵士たちには、イタリアの男は「好色家(ドンファン)」か「良き父」の2種類に分かれるという分かりやすい?(笑)前提について、君はどちら?どちらになりたい?と尋ねたり。

売春について
同性愛や倒錯愛について
離婚について
性について男女は平等か
性における抑圧は
売春宿を廃止したメルリン法の影響について
…etc

『暗殺の森』の作家アルベルト・モラヴィアと、精神分析学者のチェーザム・ムザッティが相談役的に登場し、このインタビュー調査の意義や、内容についての分析コメントが挿入されます。

ゲリラ的に撮影していそうな場面も多く、多数人が集まり、パゾリーニ監督のインタビューが上手いのもあり、様々な人々の意見を知れる貴重な作品です。
特に、北部と南部(伝統/慣習が残り保守的)の価値観の差の大きさが興味深く、南部では、結婚相手は処女でなければならない。女性は自由にひとりで出歩けない。など。
1960年代とはいえ、ここまで違いがあったんですね。

同性愛に関しては嫌悪感・不快感を語る人が多かったですが、インタビュアーのパゾリーニ(同性愛者)の心境は(笑;)。
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