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猫とカナリヤのhorahukiのレビュー・感想・評価

猫とカナリヤ(1939年製作の映画)
3.5
外にはワニ、中にはネコ

大富豪の遺産を狙って集まる親族たち。開封された遺言には「ノーマン姓」の者たちで遺産を均等に分けるよう書かれていた。ただし「精神が健全」という条件付き。唯一のノーマン姓で遺産総取りのジョイスが急に他の親族たちからモテ始めるコメディホラー。そして彼女の精神を貶めようとする魔の手が…。

パウルレニの同名映画のリメイク。元々コメディ要素が強かったオリジナルを更にコメディ方面に舵を切った楽しい作風。アマゾン奥地のような森に囲まれたお屋敷に船に乗って(片道だけでワニが30匹…😱)相続人たちがやってくる。その屋敷には目付きの悪いメイドが10年前からひとりで住んでるんだけど、どうやって生活をしてたのかは謎…😅プロハンターなのかな??

そこからは遺産総取りが決まった主人公ジョイスを押しやり、癖が強すぎる親族たちの独壇場。親族といえどもそれぞれ遠縁の者ばかりで、「親族に愛情はない。金だけ。」と明言する嫌味な奴や、主人公を必死に口説くチャラ男、「私が一番信頼されてた」と豪語しつつも一銭も貰えなかった妙齢の叔母さま。そして悲鳴を我慢するために口ではなく何故か鼻を押さえる可愛いお婆ちゃん等々のメンツがドロドロ火サスを演じるのかと思いきや、その癖を笑いに全振りしていくのが堪んない!

その親族の中でもボブホープ演じるコメディアンが強烈!「まるで殺人ミステリーだ!」というメタ発言から始まり、悲鳴上げそうになるお婆ちゃんを先取りしてしっかり鼻をつまんだり、ミステリの探偵的な役割を果たしつつも「これが証拠だ!」と出したアイテムも実は全く関係なかったりと、主人公を守りたい気持ちだけ突っ走りつつ絶妙に役に立たないポンコツっぷりが楽しい!ずっとやりたい放題でサイコーだった!😂

演出面は完全にパウルレニ版に分があるけれど、あちらの辿々しいコメディ感よりもしっかりとコメディとして楽しかった。それと扉の演出を異様なほどに多用しており、開いて閉じるまでで心的な深度を深めていくところとか良かった。あとはもうひたすらコメディ的楽しさのゴリ押しって感じ。これはこれで良いリメイク♫
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