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にがい米のbrianのネタバレレビュー・内容・結末

にがい米(1948年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

北イタリアの田植えのシーズン、ウォルター(ヴィットリオ・ガスマン)とフランチェスカ(ドリス・ダウリング)は首飾りを盗んで警官に追われていた。フランチェスカは水田地帯で働く出稼ぎの女性たちに紛れ込む。その中にシルヴァーナ(シルヴァーナ・マンガーノ)がいた。

【働かざる者食うべからず】

イタリアの主食と言えば、まずパスタを思い浮かべるが、リゾットがあることを忘れていた。
広大な水田地帯で多人数の女性たちが麦わら帽子を被り腰をかがめて膝まで水に浸かりながら田植えする様子をドキュメンタリー風に描いていた。まるで日本の原風景を見ているようだった。

終戦後、生きていくため出稼ぎへ向かう女性たちに悲壮感は見られない。むしろ大きな声で元気よく歌を唄って自分自身を励ましながら働く姿に心打たれた。
強かな女性と悪どい男性の対比がはっきりしている。

一方では男と女の出逢いをメロドラマのように仕立てる展開。最後は愛憎の果てに悲劇が生まれてしまう。

現地ロケの効果を生かしたデ・サンティス監督のダイナミックな演出が冴えて最後まで見入ることができた。

主人公のひとりシルヴァーナ・マンガーノはパゾリーニやヴィスコンティの作品で貴族やブルジョワの中年女性を演じている。
この作品では若くてはちきれんばかりのグラマラスボディを惜しげもなく披露している。魅力的かつ圧倒的な存在感を示して釘付けとなった。

https://youtu.be/OrYmI96o8m4
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