12人の怒れる男の作品情報・感想・評価

『12人の怒れる男』に投稿された感想・評価

【真実が全ての人にとって優しいわけじゃない。】

"Seek the truth not in mundane details of daily life but in the three essence of life itself" B. Tosia
〝些細な日常生活よりも、人間の本質に真実を求めよ〟B.トーシャ


"Закон превыше всего, но как быть,
когда милосердие оказывается выше закона"Б.Тосья
〝法は強くて揺るぎないが、慈悲の力は法を遥かに凌ぐ〟B.トーシャ


〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟〝有罪〟...〝無罪〟〝有罪〟。


無罪の確信は無いが、彼の話を聞いて思ったんだ。自分の結論には責任を持つべきだと。そこで考え直したんだ。
ー何をだ?そんなのはユダヤ人の理論だ。
そうとも。私はユダヤ人だ。100%ユダヤの血だよ。もちろん欠点も多いが、ユダヤ人特有の美徳も持ってる。思慮深さだよ。


トイレは閃きの宝庫だよ。


人生にはどんな偶然でも起こり得るものだ。不可能な事も起こるんだ。


法は死んだよ。法には感情を持ち込めないからな。感情がなければロシア人は動かない。法は役には立たんな。


嫉妬だよ。愚かで残酷で、人の本能に巣食う女の嫉妬だったんだよ。


どうだ、明るい海辺に向かって飛び立つか?それとも残るか?決断は自分でしろ。誰も決めてくれないぞ。…意義ある時間だったな。
tulpen

tulpenの感想・評価

3.8

シドニー・ルメットが監督したオリジナルは何度観ても面白い。
これはロシア人監督のニキータ・ミハルコフによって、 舞台設定を現代のロシアに置き換えてリメイクされた映画 。

外科医、画家、会社社長、タクシードライバー、ユダヤ人、目覚まし男、TV会社の取締役、旅芸人、墓地の管理人、建築家、吃音男、ヨーダ顔の男
この12人の男たちがまぁよく喋る喋るw

怒鳴りながら語る、と言った方が正しいかも。
途中、いたたまれずに両耳の穴に指を突っ込んでた。それでちょうど普通に聞こえるくらい。
この調子で12人の打ち明け話を聞かされるのかと思ったらゲンナリ…。
しかし、頑張ってみるもんだ。
終盤から俄然面白くなってくるからお楽しみに。

ニキータ・ミハルコフって本当にいい男(ショーン・コネリーみたい)
この映画にも陪審員の1人として出演しています。


今はもうない静岡ミラノにて。
2008.10/8 (46) 通算1101
Piano

Pianoの感想・評価

4.0
レンタル店でオリジナルのパッケージに入っていたのにリメイク版だったとは。
登場人物に見覚えないし、大昔の映画なのに携帯電話が出てくるので、あれ?とは思ったのですが、それでも演劇のような会話劇には引き込まれた。
無罪という結論にまとまったけれど、少年にとって何方が生き残れるかの議論は、チェチェンの問題を抱えたロシアらしくて興味深い背景。でもロシアにも陪審員制度ってあるのね?とも思った。
学校の体育館での議論の変わり目に、事件の背景が少しずつ挟まるのは洒落た構成。
審議を見守っていた雀が、自由を選びとって飛び立ったまでは清々しい気持ち。
ラストの黒い犬がくわえていたものには暗い気持ちになった。
うーん、オリジナルも見よう。
春川

春川の感想・評価

4.3
純粋に裁判の話ばかりじゃないから苦手とか蛇足と思う人多いかもだけど私はカンタベリー物語やアラビアンナイトみたいな枠物型の中にある個人のストーリーって好きなので自分語りするおっさんたちも好きだなぁ。どの話も面白かったし。特にタクシー運転手の話は凄かった。
それに、芸術家の陪審員2が有罪を主張し始めた話、おぉ!と思った。
リメイクってさ、ただ同じ話をするんじゃReする必要ないよね。ローカライズや時代に合わせた修正はもちろん、原作じゃなくて何故リメイクを見るのかってオリジナリティが大事だと思う。その違いとか物語更新を楽しみにこっちは見ているわけだし。私はコレ、上手くRe出来てると思うなぁ。
陪審員8(今回は1だけど)がナイフ取り出すシーン、いつ見てもビビッて笑っちゃう。隣におるやつが証拠品と同じナイフいきなり取り出してぶっ刺してきたらそりゃビビるし最初見たとき「エッこいつが容疑者になるの!?」って混乱した。

このレビューはネタバレを含みます

12人の怒れる男のロシア版

おそらく映画作品の中で1番古い
57年版を観たのは学校の授業で、当時からとても好きな作品で

97年版も観てそれも気に入ったし
パロディに近いが優しい日本人も観て、これも楽しめた

で、今作は
ストーリーはほとんどオリジナル版と同じ流れや重要なポイントもほぼ変えてないと思う

評決、評議に関わる部分はほとんど
多少微細な違いはあるかもだけど
完璧に記憶してるわけではないのでそこははっきりとは言い切れない…

が、他と違う印象を覚えるのは
尺からも分かる様に長い、なんで長いのかと思えば
それぞれが
隙があれば、自分のことを、語りはじめる

その話が、長い。
まぁ他のメンバーの気持ちをちょっとずつ動かす場面でもあるので
丁寧に感情移入できたらそれなりに良い語りなんだと思うけど

とにかく長いし、どうしても
え、この案件についての話し合いは?
と思ってしまって正直集中できない

でもなんだかんだ
12人の怒れる男の筋がやっぱり好きなんだと再認識できたくらい
メインシナリオは忠実だったと思うし
自分に合わない部分もあったけど、オリジナリティを出すところも良いと思う

でも勧める場合は
アメリカの2作のどちらかかな…

好きなシーン
おもむろにドラッグ吸引的行動をする上にそれを目を見張って見守るシーン
大木茂

大木茂の感想・評価

3.1
蛇足蛇足でトカゲですよ最後も余計なの付けてエリマキトカゲですよ

まず2時間40分は長過ぎるし
余計な自分語りする人多過ぎる
始まるまですらダラダラしてるし
一番盛り上がるナイフですらモタモタ

主役?であろう8番が2番みたいなキャラクターなのもな…

あと少年が本当にやったかやらないかは野暮なんだよな…








ここで三本同じような映画観た私の
「新説・13人のイカレる奴ら」のプロットを紹介したい

まず1番が超能力催眠で8番を操り
開始1分で全員有罪になり死刑確定
帰りになぜか9番に名前を聞くが『は?』と返される
『名前ってなんだっけ?』と名前の概念すら忘れるほどボケていた老人だった…

中でも10番のレイシストぶりは凄まじくQアノンの正体とも言われている

3番は実は少年の生き別れた父親で知らないところで有罪にしてしまったという皮肉

一番惨たらしく殺されるのが実は7番
というのは一番裁判に無関心で野球の事しか考えてない無能という個人的な理由で惨殺される全ての穴という穴に野球ボールが挿入されそこをバットでホームランされる爽快な場面となっている

時計職人の11番は実は時を操れ8番と交渉し本来の無罪ルートに戻れるオチもある

クライマックスは3番とのタイマン
有罪だった未来、無罪だった未来、意見が割れ無効となった未来、全ての可能性の記憶を持ったまま対峙
恥をかかされたと激怒し殴り合いの死闘を繰り広げる


そして少年は本当に義理の父を殺していた
しかもレイプして意識があるまま肉を喰うスーパーサイコだった
ナイフは刺す為ではなく削ぐ為だったのだ

正気に戻った8番はナイフ11本を有罪にした奴ら一人一人にスラム直伝の刺し方で襲っていく
証拠の12本目はもちろん少年へ向けられる

一見、偶然集められた12人…
実はそこには裏の陰謀があり…

実はこれ自体が映画だったというルートもあり名前が覚えてないのは番号で呼ばれていたからというオチもある

もう一つは実は刑務所を模した思考実験で重罪の囚人がロールプレイをしていた説
なので番号で呼ばれる

キャスト
1番 マハーシャラアリ
2番 トビージョーンズ
3番 シルベスタースタローン
4番 コリンファース
5番 BJノヴァク
6番 ジェニファーローレンス
7番 ヴィンセントドノフリオ
8番 ジャックニコルソン(デカプでも可)
9番 クリストファーウォーケン
10番 ショーンペン
11番 ジェットリー
12番 クリステンウィグ

サイコパスvsビジランテvsテロリストvs陰謀論者vsバイオレンス男vsIT業界の大物vs超能力者vs戦争帰還兵vs神の使いの傍観者vs巻き込まれた一般人vsデスゲームの主催者vs娼婦

誰しもに罪があり赦しがある
誰しもが人が人を裁く(捌く)事など出来ないのだ
そこにあるのは純粋な殺意と歪んだ正義のみ
2055年 夏、後悔

エンドクレジット後には
承認欲求の権化の目撃者の老人の足を破壊し
もう一人の自分を良く見せたい40代の女性は目を潰される
法なんて無いのだ私が法なのだから…
ヴィジランテの誕生である
井

井の感想・評価

3.3
後半と途中途中しか面白くなかった
最後の8番の台詞や行動の意味が分からない(もしかしたらちゃんと理解してないのかもしれないけど)
好きなシーンは外科医の男がナイフを器用に振り回すシーン。
真犯人とかは気になるけど、この作品の伝えたい事はそこじゃないから気にするだけ無駄かなあと。決まりきった有罪判決を証拠無しに嘘を暴き無罪にする過程を楽しむ為の映画

このレビューはネタバレを含みます

チェチェン人の少年が、育ての親であるロシア人将校を刺殺した事件が起き、陪審員達は採決を取るために別室へと軟禁される。
あきらかに有罪となる単純な事件は、意外な方向へと向かうのだった…。






感想。
ロシア映画長編三部作である「太陽に灼かれて」「戦火のナージャ」「遥かなる勝利へ」の監督ニキータ・ミハルコフがリメイクした「12人の怒れる男」ですが、個人的にはオリジナル版のアメリカ映画よりも、現代劇にされ複雑な構成をとった哲学的作品であり、"無関心さ"と人間の"良心"に問いかける内容が好きです。

ロシア映画は、複雑な描き方が多く、内容も哲学的に描かれているので、エンターテインメントとしては飽きてしまう映画でもありますが、帝政・共産主義革命・資本主義社会などの歴史と、侵略と内戦で疲弊する人々の暗く寒い大地を表しているかのように、とても悲壮感を描き出すことに長けております。
音楽でも同じショパンを演奏していながら、ロシア人ピアニストだけは訴えかけるような哀しみの旋律が特徴的でもあり、芸術作品においては独特な世界観を持った国で、文豪作品なども素晴らしい視点から演出している国でもあります。
プーシキン、トルストイ、ドストエフスキーなど、世界的にも偉大とされる文豪を生み出した国であり、その内容もやはり深い人間性を抉り出す作品なども特徴的です。

アメリカ版とは似て違う演出で、密室劇のお手本とまで言われる「12人の怒れる男たち」ですが、アメリカ版は古い作品でもあり時代背景が"理由のある殺人事件"が多い時代でもあるので勧善懲悪の分かりやすい設定で、「セブン」以降から"理由のない殺人事件"が多くなる現代劇としては、こちらのリメイク版のほうが個人的にすんなり入り込むことができました。

同じ演出ではありますが、ロシア版は反対票を投じる男は、多数派意見に囚われないという理由だけの反対意見であり、ロシアの民族背景や宗教観などより複雑に盛り込んだ設定が面白いです。
少数派と多数派との対立構図を用いて、ロシア国家としてのまとまりのない民族へのメタファーとしております。
唯一オリジナル版と変わらないのは、人々の"無関心さ"だけです。

事件の背景や証拠品などの物証主義への疑問と陪審員制度を問いかける手法で、密室の会話劇のみを用いて描ききった傑作とされるアメリカ版ですが、ロシア版は人間の思想による対立で描いているために、事件の背景を掴みづらい点はありますが、こちらは密室劇ではなく回想や夢のようなシーンで芸術的に演出していて、映像としての美しさが飽きさせない演出になっているのが好きです。

一見すると"法の正義"を問いかけるテーマのように見えますが、個人的には全く違う印象を感じます。
これほどにコロコロと移り変わる不確かな"主観"でしか物を測れない人間には、他人を裁くことなどできはしないというテーマに感じました。
証拠品と言われれば疑わずに信じて、身分がおかしければ悪いことをして当然だと思い込む、そこまで信念を語って声を荒げていたのに、新事実に納得してしまうとあっさり信念が曲がるなど、専門家でもない一般市民が専門家のみの意見だけの場において、"客観"的に判断することなど不可能であると皮肉を描いているように感じてしまいます。

流石にロシアの戦争映画を監督しているだけあり、チェチェン紛争のシーンは迫力があって幻想的でもあり、映像のセンスの良さが素晴らしい。
その中に、チェチェン紛争問題や共産主義への批判などを取り入れて新しい視点にした法廷劇の裏側。
もはや密室劇作品ではなくなっていますが、新しい試みとしたリメイク作品としては好きでした。

作品のテーマが哲学的なのは、満場一致の場において、少数派が淘汰され集団心理における同調圧力で意思決定がなされることと、少数派でも一貫した主張を通すことによって多数派の意見を変えることができる"正義"の少数派という二面性を人間性に掛け合わせておりますが、果たして少数派が"正義"を貫いたのか、実は多数派を欺くだけの策士ではないかという捉え方もできる内容であります。
チェチェン人の少年が起こした殺人事件を社会心理学の側面で考察させられて、どちらが正しいかという問いかけから測ることのできない人間性を描いている点にあります。
オリジナル版であるアメリカ版は資本主義社会における題材として投げかけた陪審員制度への問いかけですが、ロシア版はより深いテーマになるのがいかにもロシア的です。

ありきたりなお涙頂戴劇が各陪審員の語り部で演じられ、あれだけの信念を持った自分の採決があっさりと変わり全員無罪に変更されますが、唯一陪審員長だけが有罪を主張します。
これはチェチェン人がおかれたロシアの現状を代弁した内容として、監督が問題提起をしたかったロシア社会の現状ではないでしょうか。
多民族を侵略と共産主義で無理やりまとめあげたロシアという巨大な国、遺恨と怨嗟が根強く大地に染み付いている異質な国家でもあるため、迷信じみた〜人は悪い奴らだという思い込みが強い文化が、人間性を失わせていると描いているのではないでしょうか。

勝ち誇ったように最初に無罪を主張した男が、スズメに与えた試練が何ともいえません。
暖かく安全な囚われた室内か、極寒で死と直面した自由か、決めるのは自分自身であると語りかける満足そうな表情。
私には最も現実的で非情な人間性を伺えるショッキングなシーンでありました。
一見すると"正義"を勝ち取ったこのロシア人は、多民族を蹂躪して"正義"を押し付けただけの"勝てば官軍負ければ賊軍"というロシアの歴史を未だ引きずっている多数派が正解という危険な思想を物語っているようにしか見えませんでした。

同じプロットをとりながら、全く違った視点からリメイクとして作り上げた名作に、4点を付けさせていただきました!
来夢

来夢の感想・評価

3.6
「十二人の怒れる男」のロシアリメイク版。リメイクなので、大筋の事件については同じ要素をつかってはいるものの、ロシアの社会事情に反映させるだけではなく、キャラクターそれぞれのエピソードがあったり、本筋部分でもかなり手を加えられていたり、そこにロシア映画らしいスタイリッシュな映像が加わったり、ワンシチュエーションっぽさも少なかったりで、本家とはだいぶ違った印象の本作。なかなか面白い作りではあるけれど、ちょっと演出過剰な感じがしなくもないし、それぞれのエピソードは面白くはあるけれど、今ひとつ本筋に対してピンとこないというか、例えわかりづらっ!ってつっこみたくなったりする。キャラクターたちもそこに感銘をうけたりして意見を変えるので、ロジカルな部分より感情論優先になってるような感じはしてしまうかな。
所見の時は素直に楽しめたけれど、今回オリジナルと続けてみたら、とてつもなく大きな差を感じてしまったな。でも、リメイク作品でここまでオリジナリティを出して、しっかり面白さをだせるってところは高く評価したいね。ナイフアクションは面白かったです。
・クチコミ良かったけど…ロシア人苦手やわ。話が長いしオーバー。
・チェチェン問題もわかるけど、原作には劣ります、全然。
・この映画は、部屋の中だけというのが良いとおもわれます。
>|

あなたにおすすめの記事