青二歳

源氏物語 浮舟の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

源氏物語 浮舟(1957年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

1957年、長谷川一夫(1951)から市川雷蔵(1961)への大映トップ変遷の渦中にあるキャスト。
王朝ものカラー!豪華さが安っぽくないところはさすが。衣装も小物も見事。火葬の再現も気になるし良いんだけど、しかし考証がんばりすぎて男女ともにお歯黒高眉なのは怖い…

ストーリーは宇治十帖というか…うーん。前作"源氏物語"で登場させたオリキャラ淡路の上は、原作における因果律(→光の君晩年の罪の意識や仏教への傾倒)を表すためだったろうし、諸々がんばっているんだけど、この浮舟は…なんなのだろう。違和感ハンパない。山本富士子に王朝メイクは殺人行為でまぁ老けて見えるし。
なんかモノガミー賛美だし…うーん。
のちの"新源氏物語"みたいに名場面畳み掛けるぜ!ってほど映画らしいエンタメ感もなく、純愛ものに仕立てようとしちゃって軸が見えないのは残念。

市川雷蔵はじめ誰もお歯黒高眉なんて似合わない中(みんな同じ顔になる)、長谷川一夫だけ妙に色気があるのはもはや殿上人レベル。何かが違う。…まぁ二重あごだけど伝説残す美の探求者ですからな。
青二歳

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