スギノイチ

クランスマンのスギノイチのレビュー・感想・評価

クランスマン(1974年製作の映画)
3.3
この映画は一体どういうジャンルなんだろう。
ニューシネマというには下品で見世物的だし、といってブラックスプロイテーションのような痛快さはない。
エログロ描写と後味の悪さばかりが頭に残る、ヘンテコな映画だ。

血は血を呼び、なんの罪もない黒人女性がKKK狩りの報復に強姦されてしまう(真っ先に犯すのがよりによって保安官)。
リー・マーヴィンの友人で人種差別を嫌悪するリチャード・バートンは怒り、強姦の主犯をボコボコにする。
やがてKKKに目をつけられ、やがて全面戦争へと発展する。
このリチャード・バートン、序盤で強姦され街から迫害された白人女性とデキてしまったり、黒人女性を世話して労ったり、こちらの方がよほど主人公っぽい。
かたやリー・マーヴィンは一応色々と奔走するものの、事態は悪化の一途をたどる。

挙句の果てに、大規模な銃撃戦に発展する。もう映画のジャンルが変わってしまったような感じでここも歪だ。
ラストも無理やり皮肉なオチにしているようで、アイロニーというより虚しさばかり残る。
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