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街の野獣のkossのレビュー・感想・評価

街の野獣(1950年製作の映画)
3.7
チンピラが一旗あげようと、ひたすら走る、疾走する。ロンドンの裏街、夜のストリート、裏稼業、乞食ビジネス、クラブの女。何度も登場する階段は物語のメタファーの役割。興行で一儲けのはずが事前のアンダーファイトで試合が消滅した後は、追われる身になり逃走する、再び疾走する。テムズの川霧、ロンドン橋の脇道。階段から転げ落ちるように有頂天から落下、命からがらひたすら走る。若々しく山っ気たっぷりのウィドマークと夜の光と影が美しフィルム・ノワール。

また、プロレスを扱った映画としても貴重で、それもランカシャースタイルのキャッチ・アズ・キャッチ・キャン。日本公開は1954年で日本のプロレスTV中継開始時期と重なる。力道山・木村政彦対シャープ兄弟戦が中継され、映画公開後には力道山対木村政彦戦が中継されている。アンダーファイトで相手を倒す決め技がベアハッグ(サバ折り)なのもリアル。
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