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俺は待ってるぜのbluetokyoのレビュー・感想・評価

俺は待ってるぜ(1957年製作の映画)
3.0
夜の港がとてもいい感じ。レストラン、リーフもいい。
ただ、ストーリーがやたらと凝っている。探偵ものみたいだ。
主人公は寡黙で陰のある感じなのだが、やたらと喋りまくる。状況を説明するかのように話すが、そんなヤツはいない。
独り言もでかい声で不自然。
脚本はだれかと思えば、石原慎太郎さんだった。セリフでストーリーを引っ張ってはいけない。
雰囲気がいいので、そんなに複雑なストーリーはいらないし、かえって邪魔な気もする。

簡単にあらすじ。
主人公は、島木譲次、港町の線路沿い、レストラン、リーフを経営している。

夜中、海沿いに、いかにも海に飛び込みそうな若い女を見掛ける。思わず声をかける。
憔悴しているようなので、レストランに連れ帰る。レストランには寝るところもあるので、ひとまず休ませる。

彼女は、早枝子と名乗った。なんでも、人を殺してしまったということで呆然としているわけだ。事情はわからないが、とりあえず、住み込みでレストランの仕事を手伝ってもらう。
新聞を見ても、殺人事件の記事は出ていない。

これはなんかの間違いかな、と安心して、譲次と早枝子は街に出てデパートに入る。早枝子はトイレに入ろうとすると、早枝子に殴られた男が現れて、彼女を連れ去ろうとする。譲次はその男を撃退する。

ということで、早枝子と譲次は、お互い、身の上話をする。

早枝子は、やばそうなクラブの歌手をやっていて、逃げて来た。譲次は、ボクサーだったが、喧嘩で相手を死なせてしまった。嫌気がさして、ボクサーを止めてしまった。兄貴とブラジルに移住しようとしてる。ところが、先に行っているはずの兄貴から連絡が来ない。

と言っているうちに、早枝子のいたクラブのオーナー、柴田と手下たちが押しかけてきて、仕方なく、早枝子は帰っていった。

頭を冷やした、譲次は、兄貴のことを調べ始める。入国管理事務所に行って聞いてみると、なんと、兄貴は、船に乗船していなかったのだ。どうりで、手紙を出してもダメだったわけだ。しかも荷物もそのまま。荷物を開けてみると、キャバレー〇〇〇とあった。

なんと、その店は名前が変わっているが、早枝子のいるクラブだったのだ。早枝子に気になることを聞いてみた。このあいだ来た、柴田の手下に、見覚えのあるメダルを持っているヤツがいたのだ。そのメダルの写しを欲しいと頼んだ。早枝子は、メダルを紙に押し付けて写しをとった。
なんと、そのメダルは、譲次が、兄貴にプレゼントしたメダルだったのだ。

だんだん、柴田が怪し気になって来る。ちなみに柴田もボクサーだったりする。
簡単に言うと、ブラジル行きのためにまとまったカネを持っていた兄貴に目を付け、インチキ賭博に引きずり込んで、そのカネを巻き上げた挙句に、兄貴を殴り殺したのが、柴田なのである。
そこまで辿り着くのに、妙な遠回りをする。柴田が犯罪逃れのために身代わりを使っていたりもする。

こうした遠回しは遠回しなだけで、謎解きではない。せっかく、港町やレストランがいい雰囲気だったので、遠回しの時間稼ぎはやるべきではなかった。
譲次がレストランのオーナーになっているのは、ボクシングで稼いだ資金があるからなのだろうか。柴田も同じかな。
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