のんchan

瞳は静かにののんchanのレビュー・感想・評価

瞳は静かに(2009年製作の映画)
4.1
大好きなアルゼンチン🇦🇷映画
私はただただ、画面の中からアルゼンチンっぽさ(話し方、街並み、食べ物、家具調度品等)雰囲気を感じられるだけで満足でしたが...

これは評価が真っ二つに分かれそうな内容でした。
時代背景を理解していないと全く評価する事すら出来ないかも?
解るか理解不能か、好きか嫌いか⁉️


1977年、軍事政権下のアルゼンチンが舞台。当時、反体制派とみなされた人々は軍によって強制拉致されていたらしい。
その時代の反体制派一家の8歳の少年の目を通しての1年の四季を捉えている。

【日本の真裏にあるアルゼンチンは四季があります。当然日本と真逆です。クリスマスは夏です。そして年越しには花火が上がるのです《ブエノスアイレスのアパートで迎えた暑い新年を忘れられません》】

母親を事故で亡くし、別居していた父と祖母の家で兄と共に暮らし始める。
祖母は少年に対して十分に優しいし、短気で粗暴に見えていた父親も、常識の範囲で普通に可愛がる。反体制派と思われたくない彼らの言動が、少年の目からはなにか臆病で不甲斐なく理不尽に見えてしまう....
 
導入部や途中挟まれる四季毎の挿し絵風など、ところどころポップで明るい雰囲気を醸しだしながら、暴力やリンチが日常茶飯事であったのだろう狂気を映し出す。

アルゼンチンを知らない人が見たら、何のこと??と始終疑問符が付きまくって面白くないかも?

でも主役の男の子は可愛いし、キャストはみな自然で巧い。
終わり方も独特であって秀逸だと思えた。
私は好きです💫
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