このレビューはネタバレを含みます
ジャン・ギャバン演じる主人公マックスが、とにかく渋い。
彼と相棒のリトンは引退前最後の仕事として、大量の金塊を盗み出すことに成功する。
あとはほとぼりが冷めるのを待って、
金塊を現金に変えるだけという状況だった。
しかし、リトンが踊り子のジョジイに金塊のことを話してしまい、
ジョジイからアンジェロという麻薬密売のボスに目をつけられてしまう…という話。
物語はフィルムノワールらしい苦味のある終わり方を迎えるのだが、
老いや哀愁といった人間の機微が描かれているところに面白さがあった。
同じノワールでも、
ハリウッドとフランスとでは、
その主眼も自ずと変わってくるのだろう。
また、フランスの名優ジャン・ギャバンの重厚感、いかにもな男らしさが画面越しに伝わってきた。
フレンチ・ノワールの傑作として、
約70年の時を経ても楽しめる作品だった。
あと、ラスク食べたい。