ジャン・ギャバンのイケオジっぷりなギャングやジャック・ベッケル監督による洗練されつつもバイオレンスにも抜かりのないメリハリのある演出が効いたフレンチギャング映画の名作。
この映画のギャングは様々なトラブルが起きても無駄に騒がず淡々と対処するのがリアル、そして飯を喰い女と遊び歯を磨いて寝るという生活のリズムを描きギャングというのを一つの職業として捉えているのも印象的。
後半のクールな抗争劇からのシニカルなオチがビターな余韻を残す。
それにしても初めてギャングものを撮らしても面白い作品に仕上げてしまうところベッケルの非凡な才能を感じさせる。
ちなみに女にも容赦なく暴力を振るったり、仕事を淡々とこなしていくところといい北野武のヤクザ映画を彷彿とさせるがやはりこの作品や後輩のメルヴィルから強い影響を受けたのだろうか。