ハレルヤ

現金に手を出すなのハレルヤのレビュー・感想・評価

現金に手を出すな(1954年製作の映画)
3.8
ギャングのマックスと相棒のリトン。老齢に差し掛かり最後の仕事として大量の金塊のせしめる事に成功する。しかしリトンがうっかりナイトクラブの踊り子に金塊の事を話してしまい、その踊り子が麻薬密売組織と繋がっていた事で2人は命を狙われるフレンチノワールの代表作。

これぞ昔ならではの渋い映画。ギャング映画だけど血みどろの生々しさはほぼ無く、男たちの静かながらも熱い思いを秘める仕上がり。

冒頭から金塊強奪は既に実行済み。その後から物語はスタート。クライマックスでの戦い以外でアクションは無いので、ほぼ登場人物たちの会話劇で進みます。

成功したと思った最後の仕事だけど、嫌な雰囲気が忍び寄り、中盤からそれが確信に変わる。その空気作りも秀逸ですし、フランス映画らしいお洒落な音楽で彩っているのも面白い。

フランスの名優ジャン・ギャバンはどのシーンでも風格が感じれるベテランらしい佇まい。当時まだ駆け出しの方だったジャンヌ・モローも後の名作出演ラッシュに繋がる印象強さがありました。

1時間半ほどの時間に収まっているのも見やすかったですし、クラシック名作と言われているのも納得の作品でしたね。
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