ジャン・ギャバンマラソン③ わたしたちのショーを見てってよ、という若い女たちの誘いに「12時半越えたらしんどい」とぼやき、命を狙われてる相棒を隠れ家に案内したらちゃんときれいに畳まれたお揃いのストライプのパジャマ・タオル・新品の歯ブラシを手渡して自分はソファで寝ようとすらする、大金と命と引退後の生活のすべてを賭けた引き渡しの場ですら「早く帰って寝たいんだが」と言い出すとにかく睡眠をだいじにする壮年ギャングのギャバンが最高 親戚の叔父にあたるおじいちゃんも深夜に電話かけられたら「夜は寝たいんだ！」とキレてて血を感じてかわいかった
ギャバンの洗練された所作がショットを繋ぎ物語を繋ぐ、徹底したアクション中心主義がかっこよかった 大立ち回りは避けつつも優雅にとてとてと自邸から脱走していく後ろ姿に、清潔な洗面台でスーツを据え付けのハンガーにかけながらパジャマに着替え、丁寧に歯を磨くギャバンの妙な魅力ったら 棚から出してきたラスクとクリームチーズ？パテ？をやっぱりテーブルナイフで器用にモッモと食べてくギャバンもやっぱりたまらなかった ちゃんと空気に触れないよう隙間をぐるりと覆ってたアルミホイルをぺりぺり剥がしていくなんでもない所作よ
