mitakosama

冒険大活劇 黄金の盗賊のmitakosamaのレビュー・感想・評価

冒険大活劇 黄金の盗賊(1966年製作の映画)
3.8
東映のYouTubeで期間限定公開していたので視聴。どんな映画かも判らずに見始めたら凄い面白かった。

稲妻の伝次(松方弘樹)と木鼠の吉三(大瀬康一)が小伝馬町に捕まっていた盗人コンビ。
幼少時に見た、侍が殺される場面を目の当たりにしトラウマを持っている。
実は関ヶ原の戦いでの石田三成側の軍資金三百両を知る手がかりで、幕府の命を受け二人は探索の為に故郷へ戻る。
そこで幕府型の隠密と、幕府転覆を謀る大阪・豊臣側の残党とのお宝争奪戦に巻き込まれる、という話。

いわゆる、戦争にまつわる埋蔵金の争奪戦という正に面白いに決まっている鉄板フォーマット!
盗人二人が幕府・反幕府の大型勢力に対し孤軍奮闘するという三竦み構造で、間髪入れず常に話が進む早い展開。スラップスティックなアクション。誰が敵味方か判らない化かし合いというメチャクチャ娯楽に撤した作品でビックリした。
ゴールデンカムイみたいじゃん!!!

伝次と吉三がお宿入り。いきなり自ら幕府隠密を名乗る(笑)そんな隠密がいるか!
お宿の主に藤山寛美と春川ますみ。奥さんと良い仲の奉公人に田中邦衛。出入りする生臭坊主に遠藤辰雄。旅を共にした女めくらに野川由美子。村の海女3人組。
誰が敵で誰が味方か判らない状況で、唯一宝を知る落ち武者に幕府隠密の忍者に、豊臣側の山伏の僧兵が入り乱れる。

中盤の両軍が生き証人の落ち武者の争奪戦など、豊富なアイデアがコレでもかと詰め込まれていてビックリする。
また、盗賊二人が一服盛られ見る悪夢の特撮も面白い。落ち武者の顔の上を歩く合成なんてどうやって撮ったのか判らないくらい。

テンポが良過ぎてダレ場が無いので若干こんがらがるが、それでもかなりの傑作だと思います。
mitakosama

mitakosama