しろくま君

リービング・ラスベガスのしろくま君のネタバレレビュー・内容・結末

リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

親友の1番好きな恋愛映画。めっちゃ良かった。愛かどうかはわからないけど、そんな事どうでもよくなる。

めちゃくちゃBGMデカすぎて笑う。声聴こえなすぎ。アル中でバグってんのか?と思う。

セラに出会うまでのシーンはまあ長くてだるい。でもここまでのどうしようもなさを見せつけてくることが大事なのだと思う。

出会いの一目惚れ良すぎる。一目惚れに理由なんてなさすぎるし、中指立てた相手と恋に落ちることある?

いざホテルに行って、ことを始めようとしても、ただ傍にいて欲しいから、話をしてくれというベンの瞳が泣ける。ベンの足の間からベンの顔を見上げるセラの顔美しすぎる。

そのあとの夕飯を誘うシーンロマンチックすぎる。めっちゃ感動。性への対価ではなく、好きだから、会いたいから、金を払うという行為が、刺さった。

そこから付き合って、アル中のまま周りに迷惑をかけて2人だけで見せかけの幸せに浸って、そしてやっぱりお互いの嫌なところを許せなくなってと王道の展開になるんだけど、描写が丁寧だから見てて飽きないし、あまりにもアル中すぎて面白い。プールの中で酒飲みながらキスするシーン美しすぎる。

レイプシーンいちいち解像度高くて無理だった。泣く。

最後のシーン、キスはするけど、ずっと性とかけ離れた関係だったのに、最後にセックスするの、娼婦ではなく、一人の女の行為として美しかったし、もしかしたらアル中すぎて勃ってなかったかもしれないけど、それでもあれはセックスだった。

ベンは幸せものだし、紳士的なアル中。好きな女に命の灯火を燃やす愛すべき病人。こんな生き方を肯定はできないけれど、彼は人を愛することが出来る。シラフのやつよりよっぽど。

終始セラは母性。というかもはや介護。寂しさを埋めるだけなら誰でもいいけど、でも自分を性的な目で見ない男なんてほとんどこの世にいなくて、そして娼婦の自分なんかに釣り合う男はアル中くらいだと心の奥底で思ってそうで、でもそこから来るほんの少しの愛が、2人の終わりを決めたようで切ない。途中謎の回想みたいなの邪魔だと思ってたけどセラピーか!ってなるの映画としてうますぎる。あえて最期を映さない最後がかっこよい。

愛かどうかではなく、巡り会ってしまったものにどれだけ自分自身として接することが出来るか、どれだけ相手自身をそのまま受け入れるか。それを考えさせられた。愛じゃなくてもいい。他人から不幸だと笑われても、好きな人のやりたいことを見つめていたい。命はあまりにも短く、愛はそれ以上に一瞬だから。