画質が悪すぎて本当に戦後すぐのサラエヴォで撮られた映画にしか見えん、クストリッツァの出世作。
愛人にちょこっと漏らした国家批判的な一言が原因で強制労働を課せられたお父さんと、彼が出張中だと思い込まされる子供たち。
まあ、もはやユーゴスラビアという国がなくなってしまった今観ると、こういうどうしようもないおっさんばかりいたから国もダメになったんやなあ、としか思えないほど、お父さんがどうしようもない。
個人的に、強制労働で移住した先で「買い出し」と言って子供を連れて出かける場面は面白かった。おっさん連中で子供連れ回して、なんか子供バンドが歌ってる場末のレストランみたいなところでご飯食べてたら、いきなり売春し始めるのには爆笑。救いがない。
というか、あんなダダっ広くて殺風景な舞台付きのレストランで開けっぴろげに売春してるの初めて見たわ。ユーゴスラビアではあれが普通だったのか?
しかし、後のクストリッツァ映画とは違い、ユーモアは希薄で退屈だし、画面も噺も暗い。これの3年後に「ジプシーのとき」を撮るなんて信じられない。