めしいらず

パパは、出張中!のめしいらずのレビュー・感想・評価

パパは、出張中!(1985年製作の映画)
3.0
体制批判を愛人に密告され逮捕された浮気性のパパを、出張だとママは幼い息子らに偽ってその帰りを待つ。パパが恋しくて夢遊病になる次男。その後パパの元で一家揃って暮らし始める。次男が初恋の少女の病死を経験する一方で、パパはまた例の悪癖が出てしまい…。やがて帰郷した一家は身内とも一応仲直りしたけれど、パパは元愛人とまたしても関係し、それを目撃した次男は未だ夢遊病で街中を夜な夜な彷徨う。迂闊な言動で失敗と反省を繰り返し、何度でも周囲に迷惑かけてしまう愚かな人間たちへの優しい眼差し。大人のありように巻き込まれ良くも悪くも影響されつつ、それでも子どもは成長していく。家族が愛情で繋がっていれば背負った苦労もまたそれぞれの人生の彩りになる。長男が奏でるアコーディオン曲の哀愁がクストリッツァ作品らしくて魅力的。愛人がトイレの水洗ヒモで首吊りしようとする場面の惨めなオチが馬鹿げていて思わず吹き出してしまう。
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