ナンデヤネン

ルワンダの涙のナンデヤネンのレビュー・感想・評価

ルワンダの涙(2005年製作の映画)
3.9
監督は「ジャッカル」のマイケル・ケイトン=ジョーンズ。へぇ〜、こんな硬派な作品も作るんだ。

同じ実話でも「ホテル・ルワンダ」はドラマ仕立てである程度エンターテイメント化された印象であるのに対して、本作は報道の取材映像を見ているようでリアル。この作品からは、この事実を後世に伝えたいという使命感みたいなのを感じる。もし学校の教材で使うなら本作の方が適しているだろう。
フツ族民兵によるツチ族の虐殺。学校を出たところで母親と生まれたばかりの赤ん坊がが生命を奪われる光景はショックだった。たった数日間の生涯。赤ん坊の立場になれば、短すぎる生涯への悔しさたるや計り知れない。こういう光景がルワンダの至る所で起こっていたと思う。
国連平和維持軍(以下、国連軍)を構成するのは加盟国の軍隊。軍人は上官の命令が絶対だから(でないと軍の規律を保てない)与えられた任務以外できないのは残念だけど仕方ないのかも。学校の人達、国連軍、双方の気持ちは理解できる。無下に国連軍を責めることはできない。彼らも板挟みなのだから。こうなったら、国連軍が現場の状況変化に合わせて柔軟に対応できるよう、交戦権の付与も含めて抜本的な制度改革が必要だろう。
ナンデヤネン

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