ジュライ

ルワンダの涙のジュライのレビュー・感想・評価

ルワンダの涙(2005年製作の映画)
3.9
私自身は特定の信仰を持たないので、神父が「死ぬかもしれない子どもたちに聖体拝領を」と言い出した時も「そんなことしてる場合??」と思ったけど、実際問題ほかに何ができる状況でもないのを彼自身が一番分かっていたからこそなのだろうなと。

なにより、深い信仰心がなければ、神父があの地に残ることもなかったはず。
人にそれだけの品位と勇気を与えるものであるのなら、宗教というのも無価値ではないのかもしれない。
もし私があの場にいたら、やっぱりさっさとトラックに乗って国連軍と一緒に逃げ出すと思うし。

スタッフロール直前に映る実際の生存者たちがみんな笑顔なのが、余計に胸に刺さる。
「立ち直った」なんて安易な一言ではけっして表せないだろうけど、少なくとも笑えるようにはなったんだねと思うと……。

権力を持たない人間は、たとえ銃を持っていても無力。
権力を持っている人が権力を正しく行使してくれることを願うしかない。
ジュライ

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