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ルワンダの涙のcamusonのレビュー・感想・評価

ルワンダの涙(2005年製作の映画)
4.3
公立技術学校に英語教師としてルワンダにやってきた英国人青年の目を通して、
まずは校内での平和的な交流が描かれますが、
フツ族であるルワンダ大統領の暗殺を機に、フツ族によるツチ族の虐殺が始まり、
これまで親しく接してきた友人が虐殺加害者に変貌する様、
虐殺を前になすすべのない国連軍が難民を見捨てて撤収する様などが描かれて行きます。
主人公も残るべきか撤収するべきか決断を迫られます。


虐殺者達はもはや民兵ではなく、
フツ族一般民衆が鉈や棍棒を持って、ツチ族をなぶり殺している状況で、
狂気の沙汰ではあるのですが、
種族団結の高揚感を共有するための行為として瞬時に一般化されてしまう、
恐ろしくも、不思議な感覚に捕らわれました。
あり得ることだなと納得できるリアル感がありました。


虐殺を生き残り、九死に一生を得た人たちが、
スタッフとして製作に関わっていることが、
作品のリアリティの獲得に大きく貢献していると思われます。
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