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ヘヴンのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

ヘヴン(2002年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ケイト・ブランシェットが見たくて鑑賞。
犯罪者と憲兵として出会った、許されない二人の逃亡劇。

アクションやラブシーンを求める作品ではない。
イタリアの建造物や自然の映像美。
少ない台詞でも深く物語る表情。
終始漂う緊迫感の中、静かに心にじんと響く人間愛が心を打つ秀作💮

自らの手で悪への制裁を試みるも、逆に大きな犠牲を知った時の落胆と悲痛。良識も正義も、生きる信念さえ無くしたフィリッパ。
ケイト・ブランシェットの表情と溢れ出る美しさで魅了されるのは期待通りだが、誠実で真っ直ぐな心を持つ青年フィリッポ役(役名が紛らわしいw)ジョバンニ・リビジの抑えた演技が光を放っていて、切ない純愛を応援せずにはいられない💫

フィリッポを全面的にサポートする弟と父親。その絆がまた素晴らしい✨
互いに愛があるかという一番大事な問いかけをする父親。(言い淀むフィリッパ。心を偽ってフィリッポの解放を考えたけれど、あの父を見れば嘘はつけなかったのでは?)自身も非難の目に晒されているだろうに、フィリッポから謝罪の言葉すら聞かずとも、最低限の会話で理解し心を通わせる姿に、本物の愛情が伝わってくる💧

「なぜ最も大事な瞬間に、人間はこうも無力なのか。」

冒頭から「空」は想像できたが、ああいう展開になるとは!
何も聞かず助けてくれた友人とその家族の不安に満ちた映像を上空から捉えているところも、心をざわつかせた🚁

定点でずっと追う二人の行方🎥
タイトル「HEAVEN」が映し出され、余韻を残す終わり方も私好みだった✨

事件の真相が明かされ二人に同情の余地があったことを世間が知ることになれば、助けた人も報われるけれど、本作はそれを求めない。自己犠牲をいとわない愛♡

【notes】
●潜伏場所の意外性
●変装よりも懺悔や修行僧(宗教は違うが)のような意味合いを強く感じた剃髪🧑‍🦲
●似た名前(PhilippaとFhilippo)で誕生日も同じ。容姿も同化する二人。
●イタリアの明るい雰囲気が、少しだが唯一感じられたジェラートのシーン🇮🇹
●美しくて心に残る二人
✓ 広大な自然360度方向からの映像
✓ 夕暮れの木陰で結ばれる望遠の映像
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