雨丘もびり

スウィート ヒアアフターの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

スウィート ヒアアフター(1997年製作の映画)
1.0
面白くなりそうなのに、ならなかった。

「善意の弁護士が、隠蔽気質の閉鎖コミュニティ=AKA"田舎"に挑んで敗北する物語」
とても面白くなりそうなプロットなのにならない。
意味深な語り口だから、何かこっちで汲みとらなきゃいけないような気にさせられるのが鼻につく。

村人たちが、事故をもみ消して何を守りたいのか?が無い。全く。
「済んだことだし、もう荒立てなくても良くない?」的な"怠惰(Sloth)"が勝ってしまう不条理劇にした方が、まだ"ヌカに釘"的な不気味で醜悪でコワい話になったと思う。

何より、田舎に挑む主人公の弁護士おジイが、無策でアホすぎる。
被害者たちを怒りで煽っちゃダメでしょや。しかも焚き着けておいてヌルヌル無罪...たった一人の虚偽証言だけで?ダサ。
あのお嬢ちゃんがウソついてることをウラとって証明しないの?
ちゃんと弁護士の仕事せぇ。
アンタが被害者たちから訴えられるわよ?

テーマは重いし、興味深いけど、ドラマが盛り上がらない。
だから、面白くない(良し悪しは別として)。

「雑な正義感で絡んでくんじゃねぇ」っていう主張は好き。
「私怨を変換した善意は底が浅い」っていうのもワカリミ。
でも、これなら『沈黙ーサイレンスー』『MINAMTA』観直した方が良い。。。