【厳しく写実主義な恋愛映画】
すごい。
本格的に男女、経験で見方が変わる。
なんか、結局表面的に
「雨の朝パリに死す」所がフォーカスされ、クズな男が報われた、それだけの話に見えてる人が殆どだと思うが
そんな次元じゃないぞこの映画。
好きになった女性といるために、湧いてくる『お金』へのあっぷあっぷな意識。
幸せなのだが、どこか自信が無い、彼女を追っている自分。
そんな大胆不敵な彼女、慎重な彼から
子どもができ、慎重になる彼女、
やっと軌道に乗り始めた彼。
歯止めの効かないすれ違いと、嫉妬。
怒り混じりの寂しさ、切なさ。
好きなはずなのに互いに傷つけあい始める。
公園や飲み屋…陽気な音楽の中での
心が擦り切れ、抉られる
いわゆる『修羅場』。
気付いたときには遅く、
途轍もない辛さと後悔に苛まされる。
藁にもすがる思いとはこの事、絶望の中での懇願。
それなりに恋愛を経験し、ときに火遊びをし、
また火傷をした人には、
思わず辛さを蒸し返され、目を細めたくなる
そんな映画ではないだろうか。
それぞれに思いがあり、理由があり、
それぞれが怒り、悲しんでいた。
ラストへのトリガーが、姉夫婦の思いであった所は、実に見事であった。
そんなにやわな死に方はしないだろうことは置いといて。
最後に、
エリザベステイラーの素晴らしい笑顔、最高。