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アンダーグラウンドのぉゅのレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
3.6
2021年 鑑賞 21-248-11
ベオグラードを舞台に、第二次世界大戦からユーゴ内戦まで、ユーゴスラビアの激動の歴史を描いた、フランス・ドイツ・ハンガリー・ユーゴスラビア・ブルガリアの歴史ブラックコメディドラマ作品。監督は、「ジプシーのとき」「世界でいちばん貧しい大統領」等の、エミール・クストリッツァ氏。
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞(同監督の受賞は’85年の「パパは、出張中!」に続き2度目)したことも有名。

1941年4月、ナチス進攻下のベオグラードでは、パルチザンの義賊・詩人にして共産党員のマルコ(ミキ・マノイロヴィッチさん)が、元電気工のクロ(ラザル・リストフスキーさん)を党に入党させ、めきめきと闇社会で頭角を表していく。4月6日、ベオグラードはナチスの本格的な爆撃を受け、都市は焼け野原となり、マルコの弟が飼育係を勤める動物園も爆撃により多くの動物が死傷した。ナチスによる共産党員・パルチザン狩りが進むなか、マルコはクロを含む一族郎党を丸め込み、地下室/アンダーグラウンドに退避させ武器の密造を行わせる。マルコとクロの両者が恋焦がれる女優ナタリア(スラヴコ・スティマツさん)は、障害者の弟と自分の身の保身のためにナチス将校のフランツ(エルンスト・シュテッツナーさん)の恋人となるが、クロの奇策により奪還される。しかし、船上でのクロとの結婚式の最中にフランツ率いるナチス部隊の襲撃を受け、ナタリアは再びフランツの下へ、クロは捕縛されパルチザンの情報を引き出すために拷問を受け...

OP最高の出だし!ホーンセッションが駆け出し、音楽が鳴り響きの上でのあのシーン... おもしろそっ!ってなる!あの人の顔のアップも最高!

所々で挿入される、おそらく当時の戦時下の映像や、敢えて当時のフィルムっぽい映像、下から煽った映像等、カメラワークやカット割り、画角など刺さる映像満載!そこに好きなホーンセッションを上手く絡めた作品だ。

海って陸より低い、無限に広がる地下。そんな地下の奥には、妻も親友も親友の恋人も息子もいて、彼らに会える。そして、無くなってしまった我が祖国にも...

ただ戦争映画ではなく、戦争映画が陸にありつつ、地下ではコメディも、ちょびっとエロスもある、そんな作品。今現在内紛で分裂し、存在しない国・ユーゴスラビアからお届けしました!
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