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アンダーグラウンドのNTKのネタバレレビュー・内容・結末

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「国」というのは土地の境界によって隔てられる場所を指すのかもしれないけど、絶対に「人々」の事を指すのだな、と思いめちゃくちゃに泣いてしまった。ラストが全てを雄弁に語り揺さぶりかけて情緒を嵐のように乱れさせるだけ乱されて、スッとお祭りの狂騒を残してあの人たちは行ってしまったんだなあ〜って考えてまだ涙がポロポロ溢れている。苦しい

結局劇中で1番響いたのが地下での結婚式のシーン、「戦争さえなければ」や「私の青春を、20年を返せ!!!」が1番心に響いてかつその一言たちに全てが詰まっていたな…とかずっとずっと考え込んでしまう。文字だけで見るとこんなに悲壮そのものがあるのに、画面ではずっと鳴り止まない、鳴り止ませてたまるものか!とうるさく響くブラスバンドの演奏と踊り狂う人々、口やかましいアッパーな話し声と録音の砲撃の音のごちゃ混ぜの狂騒が映し出されているこの映画のパワーは凄かったな…いやほんと凄まじいパワーでしかない映画だった

 地下の人々をを裏切った2人、裏切りに怒り息子を失い探し続ける父親、祖国に帰りたがった男…あの地下に過ごした人々一人一人が戦争によって全てを狂わせられたからこそ、どうしてもあの終盤の酔いが覚める時の冷たさが心に響くし、ラストのお祭りの楽しさが崇高なまでに引き立てられている。私の最期もあんなふうな楽しいお祭りで終わりたいな、場所ではなく人と、みんなと踊ってどこかに行きたいな
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