これはすごいものを観てしまった。
狂気じみた熱量で駆け抜ける映画。いくつかの場面やセリフが鮮烈に心に残る。いやもう、言いたいことはたくさんあるのだが殆ど言葉にならない。泥臭くて、死と隣合わせで、何もかも滅茶苦茶。ユーゴスラヴィアの歴史は兄弟(姉妹)同士の争いの歴史で、ただただ人間の愚かさを思わざるを得ない。特にまたスラヴ人同士の殺し合いが起こっている今、これをあと何度繰り返せば人間は安息の日を暮らせるようになるのだろうと思う。狂乱の日々に終わりはあるのか。映画のように、全員が水漬く屍となってからでは遅い。