これまで見た中でベスト作品と言ってもよい。素晴らしい映画でした。
言語は英語ではないがストーリーも演技も構成も音楽もテンポも構図もどれを取っても素晴らしく170分という長尺にもかかわらずどのシーンにも釘付けであった。第二次世界大戦、東西冷戦そしてユーゴ紛争と3つの戦争を描く今作は当時の悲惨な歴史を忠実に再現しているため見ていて悲しく辛くなるはずなのだがそれをコメディで描くことで思わず笑みが溢れるがその笑みの奥にある切なさをふと思い知る。またテンポの良い管弦楽の演奏は終始耳に残り非常に印象的でそれがまた暗いはずのムードに明るさを灯し異様な雰囲気を醸し出している。
クロの屈強な体格やカリスマ性、マルコの知的さや狡猾さ、他にも各キャストには魅力的な特徴がありキャストにも愛着を抱いた。
今夏にユーゴに一人旅をしたのでベオグラードなど訪れた街が出てきたのは嬉しかったしロシア語を勉強していたので今作はセルビア語？かもしれないがやはり似ている言語であることからいくつかの単語を聞き取れたことも嬉しかった。
年末に最高の映画に出会えて感無量であり再上映された今作を劇場で見れた奇跡に感謝。見終えた後も余韻は残り自身は幸福感に満ちていた。
