いの

チョムスキー 9.11のいののレビュー・感想・評価

チョムスキー 9.11(2002年製作の映画)
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9.11後の、2002年。チョムスキーは、精力的に各地をまわって講演する。このDVDは、チョムスキーのいくつかの講演とインタビューから構成されてる。ベトナム反戦運動が起こる何年も前から、ベトナム反戦運動を行ってきた言語学者。チョムスキーの目の前には、彼の話をひとことももらさないようにと、食い入るように座している、たくさんの聴衆がいる。


今作の冒頭に、ニューヨークタイムズ紙の評もバーンって出てくる。「おそらく現存する最も重要な知識人だ。でも彼の政治的発言はあまりにもばかげていて、耐えがたい。」/でも、チョムスキーの話は、至極まっとうな話のようにわたしには思えた。そして、チョムスキーの言っていることは、「アメリカはもっとアメリカの外側の声を聴こうよ」ということではないかと理解した。アメリカという枠の内側から外側へと出てみようよ。もっと想像してみようよ。もっと想像の翼を広げてみようよ。(←そういうことを語っていたわけではないけど、わたしはそのように理解しました。)


チョムスキーの語る姿勢が、とても印象的。アメリカという国家や政府を批判していながらも、怒りを感じさせない。きわめて明るく希望を語る。彼は、大衆を信頼している。諦めていない。諦めてないどころか、むしろアメリカは良くなっているとさえ語るのだ。アメリカが南ベトナムを攻撃していた頃は、反対運動など全く起きなかった。反対運動が起きるのには数年を要した。でも、今は(2002年当時)その時よりもずっと良いのだ、と。
このチョムスキーの、ある種の楽天さが、彼のもとに集う人々を勇気づけるのだろうと思った。人を信じる気持ち、世界はもっと良くしていけるのだという気持ち。それにしても映像の力って凄いなあとつくづく思う。講演やインタビューから、人間性があふれ出るんだもの。よしっ、なんだかわからないけど頑張ろうっと!イエーイ!笑


音楽は忌野清志郎



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*このDVDはフィルマを始めてから購入したけど、ずっと積んでただけで。昨年末から、ジョン・レノンみて、ボブ・マーリーみて、ジミー・クリフみて、マンクみて、スパイク・リーみて、きっと自分のなかで何かが繋がったんだと思う。それはまだ言葉にはならないけれど、私の直感が、観るなら今だ!と言ったのだ。



*新年早々、こんなレビューで申し訳ない。でも、これからも観たいもの観て、書きたいこと書いて(的外れだとしてもくよくよせず)、そういうことを続けていこうと思いました。

本年もどうぞよろしくお願いします!!!
いの

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