たこす丼

ジーザスキャンプ 〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜のたこす丼のレビュー・感想・評価

3.7
ブッシュ・ジュニア大統領時代のアメリカで政治における支配を強めるキリスト教福音派(Evangelist)による子供への教育(洗脳?)活動の様子を描いたもの。キリスト教原理主義に反対するスタンスの映画としてはマイケル・ムーアのそれに通じる、自由主義(Liberalism)の視点から見た福音派の異常さ。彼らは聖書だけを尊重し、それに背く科学を信じない。様々な工夫を用いながら(何度も文句を唱えさせる・音楽を使う等)子供に思想を植えつける姿は確かにおぞましいもの(ex.日本の新興宗教, 自己啓発)を感じさせるが、ある意味全ての宗教は刷り込みを行うものである訳で、単純に「福音派気持ちわりー」と受け取ってしまうのはおそらく違うし、監督の意図にも背くと思われる。この映画が意図しているのは「福音派×自由主義」の対立の鮮明化というよりは(対立軸としておかれるキリスト教左派ラジオのDJにしても何か不穏なものを嗅ぎ取ることができる)、ある意味原宗教的なキリスト教福音派の姿を見て信仰とは、宗教とは、政治とは何か考えさせることではないか。
たこす丼

たこす丼