猫脳髄

スターダスト・メモリーの猫脳髄のレビュー・感想・評価

スターダスト・メモリー(1980年製作の映画)
3.3
2022年12月現在、U-NEXTには吹替版のみ登録。「マンハッタン」(1979)に続くウディのモノクロ作品である。当時も物議を醸したらしいが、コメディ作家・監督として人気を博してきたウディがシニカルに自己言及した作品と思われる。

人気コメディ監督のウディが「ホテル・スターダスト」でのセミナーに招かれ、コメディファンにもみくちゃにされるなか、恋人だったシャーロット・ランプリングほかの女性たちとの関係を織り交ぜながら、ありえざる光景を幻視するファンタジックな作りになっている。スターダストは劇中歌であるルイ・アームストロングの曲名にも掛けられている。

モブを次つぎと大写しにして好き勝手に話させ、作品はどんどん混乱し筋もおぼつかず、当惑する。しかもこれ自体が映画内映画という入れ子状になっていて大渋滞である。

ウディのコメディ監督であることへの逡巡の投影とも読み取れるが、作品群からすれば唯一無二の異色作であることは間違いない(18/50)。
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