島晃一

スターダスト・メモリーの島晃一のレビュー・感想・評価

スターダスト・メモリー(1980年製作の映画)
3.5
アレンが映画監督の役を演じた自伝的要素の強い作品。同時期のアレン映画に比べて失敗作とされることも多いが、フェリーニ『8 1/2』のオマージュが随所に伺える点は、同作含む過去の名作のよりストレートなパロディが散りばめれられた『サン・セバスチャンへ、ようこそ』が公開された今こそ見返したい作品。

『アニー・ホール』のように直接的に死や存在の不安の強迫観念に対する言及はないものの、それを思わせる観念的なシーンが印象的。冒頭の汽車、飛んでいく気球、最後一人で劇場に残るアレンを映したショットが心に残った。

また、ルイ・アームストロング「スターダスト」を流しながら、床にうつ伏せになっているシャーロット・ランプリングを映した場面は素晴らしく、今でも忘れられない。
島晃一

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