パン

俺は、君のためにこそ死ににいくのパンのレビュー・感想・評価

3.2
これ脚本が石原慎太郎なのね。冒頭から色々と嫌な予感…
そして予感的中。
「大東亜戦争は白人の支配からアジア人を助けるための戦争!それは絶対に間違ってない」

本当に日本にはこの認識のアホが多すぎる。
一体日本軍はアジア人を何人殺したと思ってんだ。
もういい加減にして欲しい。
大東亜戦争が正しいとか言ってるバカは何で自作自演の罪で日中戦争のような侵略戦争を始め民間人まで無差別爆撃したりして大勢の中国人を殺したのか是非解説して欲しいわ。
本当に正義の戦争なら自作自演なんかしなくて良かっただろ笑

逆に中国人が大東亜戦争とか言って日本へ攻撃してきたら納得して殺されるんだろうか?納得して占領されるんだろうか?
自分達の国がされたくないことは外国にもするなよ。
加害者は意味や目的をやたら説明したがるけど被害者からしたら単なる状況に過ぎないんだよなあ。


俺が思うに特攻隊員達の悲劇と日本軍内の戦争犯罪者は分けて考えるべき事例だと思う。
若き特攻隊員達の貴重な命を奪ったのは頭の悪い大日本帝国に他ならない。彼らは馬鹿な政府の被害者だ。
15歳くらいの子供まで洗脳し虐待に等しい環境で訓練を経て特攻させるんだからな。

彼らが素晴らしい若者だった=日本の戦争は正しかった 
という飛躍した論理になる理由が皆目見当がつかないんだが…
むしろそんな素晴らしい若者を殺した大日本帝国を恨むのが筋では?

この手の思想の人達って空襲や特攻のように日本人が可哀想に見える視点からの悲劇は描くけど、日中戦争の映画を作ろうとは絶対にしないよね。作れば良いじゃん。
そんなに日本軍が正当な軍隊だと思うのであれば描けるはずでは?

まあイデオロギー的な話から戻って本編について。
最初の棒倒し楽しそうw運動会みたいで。
あれ海自で今でも伝統的に受け継がれているから凄いよな。

最初に偉そうな演説こいてた長官には「じゃあお前が真っ先にお手本として特攻してみろ」って言いたくなった。 
どうせ本人はしないんだよね。
史実でも特攻の責任者たちは「後から自分も行く」と隊員に言いつつ天寿を全うしたし…

ただ朝鮮人の人とかも描いてるのは良いと思う。
実際そういう隊員もいただろう。
あと鹿児島訛りがリアルだった。本当に鹿児島出身なんかな。

あまり期待してなかったがクライマックスの戦闘シーン意外と迫力あって驚いた。製作チームがかなり頑張ったんだろう。
対空砲火もリアリティ高いし映像自体は凄い。
邦画はこういうの描くの苦手なはずだしこの作品も莫大な予算に恵まれたわけでもないのに中々やるなと思った。 

しかし何故主題歌がB'zなんだろw
特攻の映画にB'zというチョイスはなんか違う気がする。
パン

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