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家族生活のseapony3000のレビュー・感想・評価

家族生活(1984年製作の映画)
4.0
「泣きしずむ女」のあとにみると、幼児だった娘が高学年に…勝手に続編としてみてしまう。相変わらずさまざまな女の間を、退屈した心携えて彷徨う男はサミーフレイ。現妻はベルトさん(白い素敵なトップス着なくなったらわたしにください)もちろんノイローゼ気味でフレイと自分の娘がセックスする夢までみてる。ベルトさんの娘ビノシュはがっつりヒステリー体質でリストカットするわ全裸になるわの情緒不安定ぶり。娘と向き合いたいのか女たちから逃げたいのか男は実の娘とビデオ撮りながら国境跨いでロードトリップ。ハードボイルドな環境で生きる娘の、否応なしの日々の魂の鍛錬による賢さに救われるけど、ビデオカメラを通してでも分かり合えるのかすら曖昧な家族の休日。辞書でまず娘が調べる言葉が「パラノイア」なのがいい。「あなたがいない時は上手くいってるわ」「わたしがいない時は上手くやってるんでしょ」心をみせない男に反して、盗んだ剃刀や割ったガラスが肌に触れるような剥き出しのセリフが痛々しくて快感。
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