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人情紙風船のkazu1961のレビュー・感想・評価

人情紙風船(1937年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-453 再鑑賞
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 ※※※/1001

🖋 素晴らしい作品です。小津安二郎、溝口健二と並び称されながらも、若くして28歳で戦病死した山中貞雄の遺作となった作品です。

🖋エンディングの溝を流れる紙風船のように水の流れに漂いながら流れていく、人の人生の悲喜交交を見事に描いています。物語が長屋での首吊り自殺から始まり、浪人と妻の心中で終わるのですが、陰鬱な悲しさに覆われることがありません。首つり自殺の供養を理由に酒盛りが始まり、髪結いは嫁入りを迫られている質屋の娘を意地のために誘拐したり。。。軽妙な喜劇とほの暗い悲劇が巧くからみ合い、人生そのものを描いている一編です。

🖋そういった人の人生の悲喜交交を、じっと見つめて描いた山中貞雄の視線の優しさ、温かさを感じる作品です。

😌物語は。。。
江戸時代。貧乏長屋に住む髪結いの新三は、同じ長屋に住む浪人が首吊り自殺したのを良いことに、通夜をやるからと大家から酒をせしめ、住民仲間とただ酒を飲んで馬鹿騒ぎを行うような男です。彼は賭場を巡るトラブルから借金を抱えており、髪結いの道具を質屋に持ち込もうとしますが、相手にしてもらえません。困った新三は質屋の店主の娘であるお駒を誘拐し、長屋に連れ込んでしまうのですが。。。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『人情紙風船』
原題(英題):※※※
🎥製作国 :日本
🎥初公開 :1937
日本公開 :1937/08/25
🎥上映時間 :86分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):山中貞雄
脚本 :三村伸太郎
原作 :河竹黙阿弥
音楽 :太田忠
出演(声優):河原崎長十郎、中村翫右衛門、霧立のぼる

🔸Overview (映画. comより)———————
わずか28歳で戦病死した昭和初期の名監督・山中貞雄の遺作となった人情時代劇。江戸時代。貧乏長屋で暮らす髪結いの新三は、個人で賭場を開いてヤクザから目をつけられる。そのため金に困った新三は、髪結いの道具を質屋に持ち込むが断られてしまう。一方、新三と同じ長屋に住む浪人・又十郎は、かつて父が世話した侍・毛利に仕官を頼むが全く相手にされない。ある日、偶然から質屋の娘を誘拐した新三は、娘を長屋へと連れて帰るが……。歌舞伎の演目として知られる河竹黙阿弥原作「髪結新三」の映画化。
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