ぼくはかつて達郎さんに、これこそ人生の一本だと1937年の名画『人情紙風船』(山中貞雄監督)の存在を教えてもらったことを思いだした。
松尾潔
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【再鑑賞】
江戸の棟割長屋。
亡き父の知人に仕官の職を頼み込むが、煙たがられる浪人・海野又十郎。
無断で賭場を開き、親分衆に追われる遊び人・髪結新三。
その場の勢いで質屋の娘を誘拐するが、欲深い大家…
このレビューはネタバレを含みます
「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」で尾田栄一郎回かな?で鈴木さんがベスト映画として話してて知った。
高校生の頃、黒澤明の映画を初めて見て、聞き取れなさすぎて日本語字幕を出しながら観たことを思った。
死で始…
嫉妬と勘違いは怖いね。女が覚悟を決めた時、きらりと光る小刀。
この小刀は、河内山宗俊からの連続のようにも見える。雨での出会い。濡れる悲痛の雨と、傘で待ってる女を攫う雨。
しかし起きた出来事は、雨のよ…
夭折の映画監督・山中貞雄の遺作にして、現存する3作品のひとつ。前作「河内山宗俊」(1936)に続き、前進座俳優を起用した時代劇である。
貧乏長屋で起こった浪人の首吊りから物語は始まる。中村翫右衛門…
長屋に住む人々。そのそれぞれに一人一人の人生がある。
人と人との繋がり、交わり、偶然、運命、それがあの小さな場所に集約されている。
見終えた後のなんとも言えないもどかしさ。自分の人生とも少しは重ねて…