現存する3本の作品で小津、溝口、黒澤に名を連ねる山中貞雄1本目。名前を挙げた三者と比べるとかなりオーソドックスな印象を受けた。そういう意味では少し退屈かもしれない。終盤の山岸しづ江のシーンでカラック…
>>続きを読む5年間で26本の時代劇を撮り28歳で亡くなった山中貞雄の現存する作品3本の内1本。
有名タイトルだしTVで何度もリメイクもされているようですが、今さらの初見。
85年も前に20代の若い監督が撮った作…
このレビューはネタバレを含みます
フワフワ水に流れていく紙風船がかなり良い。海野さんが門前払いされて毛利氏の屋敷前で呆然と立つ場面→海野さん家の場面の間に挟まる、布の縁についたモップみたいな紐がゆれるカットめちゃくちゃ綺麗だった。
…
天才山中貞夫監督、日本映画の傑作1本。江戸時代の長屋の人々に生活感が良く分かる。
20代で、この演出本人が凄いと思う。
「人間って紙風船のように軽いし、そして転がりやすい」
2022年度最後の映…
初山中貞雄。
優れた作品であることは分かるが、
個人的に時代劇やこの時代の映画に多く触れれていないこともあり、本作のすごみを確かに実感できなかったのが惜しい。
ただ全体的な安定感とまとまりから、良作…
完璧な構図のフィックスショットの反復によって物語の強度が増し、路上に横たわる、武士と町人各々のショットの同一構造が二人の密かな連帯を示し、ミドルからロングへとつなぐ暗闇の雨に佇む武士の姿が絶対的な孤…
>>続きを読む