NoAceJustYou

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱいのNoAceJustYouのレビュー・感想・評価

4.7
95点。ジョー・カーナハンの最高傑作。
ブラック・コメディの申し子であるカーナハンもリッチーもタランティーノもコーエン兄弟もそうだが、長編2作目の映画がとんでもない大傑作になるのは何かのジンクスなのだろうか。

ラスベガスのホテルを舞台に、1人のマジシャンを保護しようとするFBIとマジシャンを暗殺しようとする殺し屋たちの対決、そしてその背後でFBI上層部が進める"ある計画"を描いた作品。

今見るとなかなか豪華なキャストだが、当時は低予算映画への出演が多めの役者陣や若干落ちぶれた感のある俳優ばかりが出演。
この頃は結構シリアス路線を目指していたライアン・レイノルズと当時勢いのあったジェレミー・ピヴェンを主役に置き、出演者の中で1・2を争うブレイクを果たしたクリス・パインもちょい役で顔を見せる。ジェイソン・ベイトマン、タラジ・P・ヘンソン、トミー・フラナガン、ネスター・カーボネル、ジョエル・エドガートンといった今や人気者の姿も(出たがり監督ことピーター・バーグも出てる)。エドガートンに関しては、ブレイクするかしないか本当に大事な時期での出演なのに結構酷い役笑。
重鎮として主人公の相棒にレイ・リオッタ、狡猾な策略家といえばやはりこの人アンディ・ガルシア、見せ場もなく瞬殺される役にはベン・アフレック。
ケビン・デュランドとマーティン・ヘンダーソンの出演は、B級映画ファンには嬉しい要素。
Hip-Hop/R&B界からは、アリシア・キーズとコモンが出演し、2人にとっては俳優デビュー作でもある。
マイケル・シャノンの現場での態度がひどく、監督のカーナハンがブチ切れてクビにした結果、再オーディションが行われてクリス・パインが起用された裏話もある。

ブラック・コメディとしてストーリーが進む中、シリアスな展開を途中で差し込み、完全にブラック・コメディを打ち消して絶望的なエンディングを迎えるプロットは自分好み。
クリント・マンセルの楽曲も、エンディングをより一層重厚なものに昇華させている。
NoAceJustYou

NoAceJustYou