すずす

映画に愛をこめて アメリカの夜のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画『パメラを紹介します』の撮影過程を描いた映画。
昨今の映画人が映画愛を語る映画は鼻白むものばかりに思えますが、この映画は仕掛けも多く、物語の展開はよく出来ています。

南仏ニースの撮影所で行われる、パリが舞台の映画『パメラを紹介します』の撮影。
昔ながらの街のセットで動き回る大勢のエキストラを、クレーンの上から撮影している。
出演者は往年のベテラン・スターの男女で、かつて犬猿の仲だった2人。
そして、主演の男(ジャン・ピエール・レオ)はスタッフの女性に夢中で、その相手役の女優は精神不安定なハリウッド・スター(ジャクリーン・ビセット)。

演者たちは不安定な者ばかり、遂に、恋人にスタントマンと駆け落ちされた主演男優がクライマックス前日に逃亡を計ろうとするのを、身を挺して止めるハリウッド女優。その後のゴタゴタが見事です。

台詞が覚えられない女優の為にセット裏に貼られるあんちょこ、
猫の演技に一喜一憂するスタッフ、
泡で作った雪で冬の場面を創作、
窓枠だけの書割セットなど、
映画の製作の裏側がトリュフォー自身により再現されていくのが魅力。

トリュフォーの子供の頃の逸話の様に『市民ケーン』のロビーカードの窃盗まで描かれていて、おいおい、これじゃ映倫規定に引っ掛かるぞ!と思ってしまいました。

渋谷tsutaya駆け込みレンタル。
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