とり

ザ・センチネル/陰謀の星条旗のとりのレビュー・感想・評価

3.9
どちらかというとキーファー・サザーランドの方がメインのように宣伝されてましたが、あくまでもマイケル・ダグラスが主演!
このおっさんに特別思い入れがあるわけではないけど、なんか味があっていいんですよねー。とことん腹黒そうでふてぶてしい顔つきがなんとも。B級臭もぷんぷんするし。
とは言ってもキーファーをそうそうないがしろにはしないだろう、と思ってたんですが、相当ないがしろにしてました。
キーファーだけが出てるシーンはとことん面白くない。持ち味がまったく活かされていません!
対するダグラスが出てるシーンは、というか出ずっぱりなんですが、心理描写も結構細かく表現されていて明らかに製作上の力の入れ方が違います。
ちょっとトム・クルーズを思い出してしまいました。オレオレ、オレだけを堪能してくれ!そんな映画をトム様以外にも作ってしまうとは。後で調べてみたらな~るほど。ダグラスが製作にも関わっていたのです。
キーファー目当てだけでこの映画を観るとけっこうきっつー…だと思いますね。
私個人としてはかなり満足できました。
序盤ホワイトハウスでのキビキビした場面転換から始まって、屋上に特殊部隊が待機してるシーンを観て、おわーーーーーー超かっこええーーーーー。みたいな。
監督の前作「S.W.A.T」製作が役に立ってるらしい。シークレットサービス達の動きもなかなか凝ってました。ダグラスの動きはちょっと切れがなくてモヤモヤしたものを感じたのは事実ですが。
そう、アクションシーン、銃撃戦が良かったんです。膨大な制作費がかかってるわけでもなさそうだし、ドッカンドッカン爆発もしないんですが、地形効果を活かしたり相棒との協力プレイとかアイデアが詰まってます。銃声も重々しくズッシリ体に響きます。
しかもダラダラと引っ張り続けることなくどんどん展開していくので非常にテンポ良く感じます。
中盤の雑踏の中での追いつ追われつといった、ちょっと「フレンチコネクション」を彷彿とさせる仕掛けが楽しい。そうそう、若さでは勝てないんだから頭を使うしかないよねって、観ていて妙に納得。
種明かしについてはちょっとショボイというか、いまいち新鮮味がなく驚きも感じられなかったんですが、まぁそれはこの映画ではオマケみたいなものなんでしょう。メインはあくまでも疑いをかけられたマイケル・ダグラスがどう動くかってところですから。
なんだかフレッシュな新人とか若手がほぼいなくて、おやじ2人&おばさん1人、円熟3人がはりきっちゃう映画(しかもアメリカ合衆国の未来を担う人たち)、ある意味凄いと思う。
MOVIX亀有
とり

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