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ナージャと竜王(ナーザの大暴れ)のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.6
封神演義の哪吒を取り扱ったアニメーション。封神演義とはいえ、あくまで哪吒のみのエピソードなので太公望や武王や紂王や妲己などは出てこない。

古代中国のお偉いさんの家に生まれた哪吒。最初はなんと蓮の花となって誕生。この蓮の花弁が剥がれ落ち小さな子供として現れる。しかも即巨大化。日本だったら蓮から生まれた蓮太郎って名付けられるな。

元気いっぱいの哪吒は仙人である太乙真人に目をかけられる。そんな中、この土地では4匹の竜王が暴君として支配している。自然を操る竜王だが、哪吒の強さにはてんで形無し。
先ずはリーダーの竜王の息子をサクッと殺っちゃう。身体の筋を抜き取り「皮はいらねーや」とポイ捨てするサイコっぷりを披露。
さらに復讐に来た親父も叩きのめす。こえぇ。

そんな哪吒だが、4匹が襲来してきた挙げ句、ビビった父親が武器を取り上げた上に村人が危険にさらされている状況に陥り、災いの元となった自分を嘆き自害。
だが太乙真人が復活させてくれて、新たな武器も授与。再び敵陣に乗り込み全員ぶっ殺す。任侠モノの殴り込みかよ(笑)

哪吒は、本来の設定通り正義感は強くても手のつけられない暴れん坊だが、今作のキャラクターデザインからは妙な艶めかしさがある。少年の持つ偏愛的なエロティシズムが今作の魅力だ。
アニメーション的には、白蛇伝などに代表される60年代の長編東映動画のようだ。波の表現などが顕著だし、恐らく相当参考にはしていると思われる。
しかし今作が79年だもんな。日本がガンダムとカリ城を作っていたことを考えると、この時代ではかなりオールドタイプのアニメーションだとは言える。コレはコレで味が合って好きなんだが。
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